#己と向き合い代謝を最適化

植倉先生は肌艶も綺麗だし、すごくイケメンだと思うのですが、ご自身がそういった、自分の肌・健康ケアに向き合ったのっていつぐらいからですか?
長瀬

大学5年のときにボディビルの大会に出たのがきっかけですね。サプリメントを始めたのがその辺で、やっぱ筋肉を作るっていう目的で、プロテインから始めて、ビタミン・ミネラルとか意識し始めたのは、そのタイミングですかね。
植倉先生

確かにボディビルをやられてると、相当自分に向き合いますよね。
長瀬

ボディビルって、筋トレをするだけみたいなイメージあるじゃないですか。でもそれじゃボディビルできないんですよ。トレーニングは実は1・2割ぐらいで、運動だけじゃなくて栄養・休息が大事なんです。
植倉先生

筋トレのイメージ強かったけど、そうなんですね。
長瀬

僕は「代謝を最適化する」っていうコンセプトでクリニックをやっていまして、代謝を最適化するソリューションは運動・栄養・休息・メンテナンスの4つが重要って僕らはずっと言っているんですけど、まさに全部大事です。そのバランスがないと極限まで筋肉が大きくならないんですよ。ボディビルは極限まで大きくする競技なんで、ただ筋トレしてもしょうがないんですよね。
植倉先生

肌艶もボディビルするとよくなるんですか?
長瀬

ボディビルは運動・栄養・休息・メンテナンスをしっかり重ねていきます。それやっていくと、代謝が最適化されて、肌艶もよくなるんです。例えば美肌の素っていろんなものがあるんですけど、よく言われるターンオーバー・肌の入れ変わりとかっていうところも代謝なんです。それを正常化するためには、夜しっかり寝て、成長ホルモンをしっかり分泌させたりとか、運動によって成長ホルモンを出したりとかっていうのも関わってくるので、結論ボディビルやって運動・栄養・休息・メンテナンスをしっかりしたときってめっちゃ肌艶良かったんですよ。
植倉先生

ボディビルダーの肌艶って、ツルツルで黒光りしてるじゃないですか。あれ塗ってるんだと思ってました。
長瀬

最近は塗っちゃ駄目なところが多いんですよ。会場が汚れちゃうんで。普通にめちゃくちゃ日サロ行ってる人が多いです。
植倉先生

そういう人も肌綺麗なんですね。
長瀬

割と綺麗な人多いと思います。ポージングもするんで脱毛してる人もいますし。ただ極限までいっちゃうとむしろ体に悪くなったりしますけどね。トレーニングもやっぱりほどほどが実は一番いいので。
植倉先生

#知らない正しい休み方

良い休息をとるのって、地味に難しくないですか?
長瀬

そうですね。やっぱり質の良い睡眠っていうのは、枕の高さとか寝具とか温度とかサウナ入ったりとかっていうのもありますし、それだけではなくて生化学的に睡眠の質が悪いパターンもよくあって。例えば寝てるときに血糖値が下がりすぎちゃっていて、交感神経が優位になって睡眠が浅くなったりとかもあったりするので。
植倉先生

そうですよね。色々な要素がかかわってそう。
長瀬

あと休息は睡眠だけじゃなくて、例えば入浴の仕方とかですね。何℃が最適か、何分入ったらいいのか、温冷交代浴がどういう効果があるかとか、サウナの入り方とか。そういうのも全部休息じゃないですか。たまには自然の中に行ってとか。その人に合った最適な方法を知ることも大事です。
植倉先生

睡眠不足かどうかはどうやってわかるんですか?
長瀬

例えば朝起きづらいとか、日中すごい眠くなるとかっていう、明らかに睡眠不足の症状でパフォーマンス低下してる状況があります、ってなったときに、その睡眠不足の原因が何かっていう仮説を立てるために血液検査をすることがあります。
植倉先生

血液検査で睡眠不足の原因がわかるんですね。
長瀬

そうなんです。血液でこんなにわかるって知ってる人も多くないと思うんですよね。一般的な知識がある健康感度が高い人たちでも知らないので。
植倉先生

#低リテラシー日本人

日本人は自分のこととか健康に関する意識が低いですよね。
長瀬

仮説ですけど、やっぱり日本の医療って保険診療の力が強い。保険診療って要は病気の治療ですよね。その前の領域であるいわゆる自由診療の影響力ってまだまだ弱い。やっぱり保険診療・保険制度が整いすぎちゃってて、変な話温室なんですよね。病気になったら3割負担で病院行けばいいや、っていうのですんでしまってるので、リテラシーを上げる機会もない、きっかけもないっていうのが僕の中の仮説です。
植倉先生

めちゃめちゃわかります。風邪ひいてから病院行けばいいって思ってますもんね。未病って考えが弱いですよね。
長瀬

そうなんですよ、もう意識高い系のジャンルになっちゃうんで。それを当たり前の世の中にしたいんですけどね。
植倉先生

僕は中学高校とアメリカにいたのですが、保険料もいろいろ問題があって高いし、人種差別があったりとか、いろんな問題がごちゃごちゃしてる中で、病院に行きたくない人たちが多くて。でも逆にそれが自分のケアをしっかり日々しようみたいな、病気になることさえ勿体ないとか、人生無駄にするみたいな考え方が多い理由な気がします。
長瀬

アメリカは保険制度を含めたマクロ環境が日本と全然違うんで、リテラシーがかなり高いですよね。自分で結構ちゃんと調べて、早いうちから筋トレしてみたいな。一方でめちゃくちゃハンバーガー食べて太ってる両極端ですよね。
植倉先生

デブも多いよね。
長瀬

やっぱり人種的な背景もあって、欧米人は体質的に強くて、太ってもなかなか病気にならないんですよ。なので日本人って、欧米人と同じ太り方すると即効病気になるんですよ。
植倉先生

へえ、そうなんですか。
長瀬

インスリンの出方の問題とか、いろんなものがあったりするんで。だから食が欧米化した現代では、より我々アジア人の方がダメージを受けやすいんですよね。
植倉先生

なるほど、そういうことだったのね。
長瀬

そうなんですよ。それこそ体重とかBMIっていう観点では、我々アジア人は欧米に比べたらまだ平均がかなり低いから大丈夫だよとか、そんなことなくて。耐性が全然違うので、そこは要注意ですよね。
植倉先生

#代謝に必要な五大栄養素

今、個人的に注目してるとか飲んでいるサプリや、今後注目している成分があれば教えてください。
長瀬

僕あんまり注目してる成分っていうのはなくて、結構基本に忠実なんです。なので、五大栄養素を最適量取るっていうのを一番重要視してます。
植倉先生

あらためて、五大栄養素ってなんでしたっけ?
長瀬

炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルです。代謝に必須なものなので五大栄養素と言われています。最近六大とか七大とか言って、食物繊維とかポリフェノールが入ったりするんですけど五大が一番ベーシックなので、これを最適量取るっていうことを一番重要視しています。
植倉先生

五大栄養素がちゃんとその人にとって必要な分だけ取れているかどうかって、血液検査をしない限りそれはわからないものですか?
長瀬

わからないですね。定量評価ができないので。血液検査しないとなると、ライフスタイルとか体調とか聞いて経験的にこうかなっていう程度かなと思います。
植倉先生

そうすると中々正確に把握するのはハードルが高いですかね?
長瀬

でも五大栄養素なので、サプリメントレベルだったらたくさん摂っておくという考え方は別に悪くはないかなと個人的に思っています。
植倉先生

なるほど、体に悪いものではないですもんね。
長瀬

特に水溶性ビタミンに関しては。ちょっと気持ち多めに取っておくだけでも、結構違うんじゃないのって。特にビタミンB群に関しては、現代人は不足しがちで、調子悪くなりがちなので。ビタミンBに関しては誰でも取っていいんじゃないんですか。
植倉先生

でもやっぱり、そのときの自分に何がどれぐらい必要なのかって知っておくほうがいい気がしますね。
長瀬
#血液検査を当たり前に

今後はどのような形で植倉先生の考えを広めていきたいと考えていますか?
長瀬

うちのクリニックでやっていることを体系化して、どこのクリニックでもできるようにしたいです。私がやっていることを一子相伝みたいな感じで、秘伝の技にする気は全然なくて。
植倉先生

おお、どこのクリニックでも植倉先生の血液検査解析が受けられるようにするんですね。
長瀬

重要な目的は社会課題解決なので、これがもし良いものなのであれば、仕組み化して広げていきたいんです。なので、逆にこのノウハウっていうのを他のクリニックやドクターとか意思決定者に重要性を理解してもらって、その仕組みを導入してもらって。極論こういう血液検査みたいに自分を知る機会っていうのを、美容室に行く感覚で当たり前にしたいんですよね。
植倉先生

そうすれば自分を知る機会がいっぱい増えますね。
長瀬

まさにそうです。病気があるなしっていうのはもちろんわかるし、それだけじゃなくてこういう代謝状態だからこういう習慣をしようとか。美容室に行く感覚で自分を知る機会を与えつつ、それに対するソリューションでやりたくなるような、仕組みができたらいいよねって思っています。
植倉先生
#ベネフィット・ワンの不老長寿版

先生のような考え方をお持ちの方がもっと増えたりとか、そういう傾向がもっと強くなった方が幸せな人増えるなと思っていたので嬉しいです。
長瀬

直近ではまず、医療者の意識変革が必要と思ってます。医療者って結構クセ強いので、医療者同士じゃないと、壁作ったりするんです。なので医療者のコミュニティを作って、正しい日本における自由診療と安全な自由診療を行えるような仕組みを作るコミュニティを作ろうとしています。
植倉先生

やっぱりそれぐらいやりたいって思ってくれる人がいないと変わらないっていうのと、受ける側の知識というか、自分への関心度が高くならないと中々広がらないですよね。
長瀬

僕らの事業活動目的というのは、日本を不老長寿大国化して、医療の社会課題を根本解決することで、盛り上げていきたい。日本は少子高齢化で経済衰退していて、いろんな社会問題が起きている中、それが巻き返せる秀逸な仕組みができれば、それに追随しかけている中国とかそういう諸外国にも移植できるんじゃないのっていうグローバル的な視点も一応見据えつつ。まずは日本で成功体験を積みたいところがあったりします。
植倉先生

不老長寿大国ですか。
長瀬

日本は長寿大国と言われますけど、先進国として社会保障が整ったから、たまたま見かけ上の寿命伸びているだけで、結局健康寿命と自分のギャップって、まだ10年前と変わってないと思うんです。そのギャップをなくしていかないと、生産人口が減っている中で日本の国力を上げるって難しいと思っているので、それに対するソリューションを考えていく、それを成し遂げた未来をキャッチーに言って不老長寿大国と僕が表現しています。
植倉先生

かっこいい。そのためにまずは何から変えていくんですか?
長瀬

このクリニックでの活動を通じて、どういったら不老長寿になれるのってことをとにかく探求して、アウトプットする場としています。そうするとどうしても属人性が高くなってしまうので、クローズドでやっているんですけど、社会課題解決なんで、それをマスに広げていかないといけない。という中で、マスに広げていくための仕組み作りをするために、株式会社不老長寿研究所を設立しました。
植倉先生

株式会社にしたんですね。
長瀬

一応上場を目指していて、上場を目指す理由としては、最終的には医療の社会課題解決しようと思うと、医療の仕組みを定めている厚労省・経産省とのコミュニケーションが必要になってくると思うので。日本で政府とやり取りしたいのであれば、日本でしっかりとした実績を作っていく必要あるので、国内で上場したいと考えています。
植倉先生

サービスとしてはどのようなことを考えられていますか?
長瀬

簡単に言うとベネフィット・ワンの不老長寿バージョンみたいな福利厚生サービスを作りたいなって考えています。その最初の段階として、サービス設計をするっていう目的と医療の仕組みを整える下地作りとして医療者のコミュニティを作るというのが当面の活動です。
植倉先生

植倉先生と同じような考えを持ってアクションしている人っているんですか?
長瀬

予防医療業界で頑張っているヘルスケアスタートアップというか、社長さんがいますね。
植倉先生

そういう新たなムーブメントっていうか、トレンドがあるんですかね。
長瀬

そうですね、医療者でも保険診療の不合理さみたいな、っていうのを感じている人はやっぱりいるので。そういう方は起業して、予防医療系に進む人はちょこちょこ増えているかなと思います。
植倉先生

植倉先生は、予防医療ではなくて、不老長寿という言葉を使っていますよね。
長瀬

不老長寿大国化するうえで、予防医療って当たり前すぎて足りないと思っているんです。予防医療って病気を予防するだけじゃないですか。それだけだと日本って盛り上げらないと思うんですよね。長く太く生きたいって人を量産しないと。
植倉先生

単純にマイナスをゼロにするだけではないというイメージですね。
長瀬

その通りです。だから僕は予防医療っていう次元で考えないようにしています。僕らのこだわりなんすけど。別に予防医療を否定する気はないんですけど、僕のビジョンとしては、もう少し違うベクトルなんです。アメリカでは特に不老長寿ってワード自体が盛んなんです。
植倉先生

英語では何っていうんですか?
長瀬

いろいろありますね。ちょっと古いですけどアンチエイジングだったりとか、エイジレスネスとか。いろんな言い方あります。ちなみにうちの不老長寿研究所は、エイジレスネス&ロンジェリティラボとしています。
植倉先生

そういう意味の単語が多いというだけで、向こうが進んでいるってことがわかりますよね。
長瀬

そうですね。特にやっぱセレブリティなんかはみんな不老不死になりたいじゃないですか。なのでめちゃくちゃお金が集まっていますね、特に研究系は。うちは研究所って言いつつも、別に新しいソリューションや科学的な研究をする施設ではなくて、その成果物をどう仕組み化して、社会全体を不老長寿化するかっていうインフラ作りを研究する研究所としてやっています。
植倉先生

とても素敵です。実現して欲しい。
長瀬

患者さん目線としても選択肢をもっと欲しいじゃないすか。がんだとしたら、抗がん剤が選択肢の第一に来ますけど、自由診療だったら例えば高濃度ビタミンCであったり、海外の新しいものであったりとか。
植倉先生

ビタミンCに抗がん作用があるんですか?
長瀬

高濃度ビタミンCは正直、抗がん剤よりも効かないとは思うんですけど、抗がん剤って効かない可能性がある上に副作用が物凄くつらいんです。超つらい上に治らずに死んでしまう可能性があるので、それだったら高濃度ビタミンCを打って残りのQOLを全うした方が良いっていう選択肢も、もしかしたらあるかも知れない。そういう選択肢が保険診療にはないわけですよ。
植倉先生

たしかに、選択肢を全て見たうえで後悔がない決断をしたいですよね。
長瀬

そういう選択肢を網羅的に話せる人、それを僕らは勝手にスーパージェネラリストって言っているんですけど、そういう立ち回りってのは今後必要なのかなと思っています。
植倉先生

スーパージェネラリストですか。
長瀬

医科・歯科・保険診療・自由診療・運動・栄養・休息・メンテナンス全てに精通していて、中立的に、その人のニーズに合わせて提案できるポジションのことを勝手に言っています。
植倉先生

専門家的なお医者さんではなくてですね。
長瀬

専門家って、例えば循環器内科のことだけしか語れないっていうと、もちろん重要なんではありますが、最初の窓口として行くにしてはちょっと偏りすぎな気がしていて。ほとんどの人が必要なのって、最初の総合窓口じゃないですか。なのでそういうポジションって仕組化が必要と思っています。
植倉先生

何でも相談ができるって大事ですよね。気持ち楽に話せる。
長瀬

そうですね。友達感覚が特に重要だと思っていて。僕みたいな若輩者と、もっとレベルが高い人たちが友達感覚でいてくれるためには、やっぱりバリューを発揮し続けないとならないとも思っています。
植倉先生
#増えろ自由診療医

保険診療が自由診療のような領域に入ってくることは無いんですか?
長瀬

保険診療で大事なものって、エビデンスベースのメディシンという考え方で、要はこの治療って論文とか、統計学的にちゃんと優位っていう証明がされているぞってことなんです。言ってしまえば、エビデンスっていう正解があるんですよ。
植倉先生

なるほど、大事なことではありますよね。
長瀬

はい。でも自由診療って、それ以外の新しい取り組みが多いので、正解がないんです。保険診療にするまでのエビデンスとしては薄いんです。かといって、自由診療で本当に自由なことをやっていいのかっていうとそれは絶対駄目で。
植倉先生

正確なエビデンスとまではいかないけど、エビデンスはあるということですか?
長瀬

僕は自由診療に必要なのはイノベーションベースドメディシンだと思ってます。イノベーションってロジックベースの仮説思考と呼ばれるじゃないですか。医学におけるロジックっていうのが、いわゆる基礎医学で解剖学・生理学・生化学なんです。その普遍の真理のもと、どういう現状かっていうのを把握して仮説を立てて、治療プランを立てて実行してPDCAを回すというのが重要なんですけど、そういう考え方をしている自由診療医をもっと増やした方がいい。
植倉先生

一般の方は中々巡り会えなかったり、変な情報に先に触れてしまったり、リテラシーが低いからこそ判断できなかったり、というのがまだまだこれからありますよね。
長瀬

そうですね。自由診療の医者も、意識高い人もいれば、めちゃくちゃ低い人もたくさんいるので、そこは本当に要注意です。
植倉先生

こっちも信頼を判断できるぐらいの知識も持ってないし、保険っていう国の制度があるだけでも信頼しきっている部分もあるし。まだまだ始まったばかりみたいな業態ですね。
長瀬

そこは難しいですけど、やってかなきゃですよね。
植倉先生

自由診療の究極のシンボルみたいなのは、ブラックジャックみたいな?
長瀬

あれはなんですかね、違法診療ですかね。
植倉先生

自由すぎちゃう?
長瀬

腕が良い違法診療ですね。
植倉先生

今日は楽しいインタビューをありがとうございました!
長瀬